*友人について*

るりとうわたの花

1 琴子の友人

  琴子には、緑風 菫(みどりかぜ すみれ)、さくらという友人がいます。3人はもともと同じ学校でそれぞれが友人でした。 琴子さんは成人してからアスペルガー症候群(現在の表記は自閉症スペクトラム障がい。診断の経緯は「琴子さんについて」をご覧下さい。)

  琴子さんが診断を受けた頃、私(緑風菫)と社会人になってからもつきあいのあったさくらさんが、たまたま私に相談のメールを送ってきました。 「私の子広汎性発達障害(自閉スペクトラム)みたいなの・・・。」 「なんてタイムリーな。私の友人も最近アスペルガーの診断を受けて・・・知らないかもしれないけど同じ学校の琴子さんなんだけど・・・。」 「同じクラスだったことのある琴子さん?!」
  こんなことから、3人で相談しあう友人関係が始まりました。 その中で、琴子さんが今までにかいてきた素敵な絵や詩を多くの人に知ってもらいたいと思うようになりました。

2 3人の活動

 発達障がいや、アスペルガー症候群などを含む自閉の世界について、そしてその困難さを知ってもらうため、少しでも 理解してもらえるよう活動しています。 それぞれの立場を率直に語り合える私たちだからこそ、伝えられることがあると思うのです。
 また、身近に自閉の人がいる場合には、希望を持ってもらえるようにも期待しています。
 そして、生きにくさを日々感じる中で自分の存在価値を見失いかけてしまう琴子さんに、琴子さんの絵や詩が人 に癒しや感動を与えることを伝えることで、 未来に明るさを見いだしてほしいと思っています。

  琴子さんは、小さな頃からなぜ物事の関係が分からないのか、応用がきかないのか、場の雰囲気というものが理 解できないのか悩みながらも、 自らマニュアルを作り続け、それを覚えるといったことを続けることで、成長してきました。 国公立大学を卒業できる学力を持ちながらも、人間関係に苦しんでいたようです。診断を受けてからも、 見た目では障がいはないと思われてしまう状況にあまり苦しさは変わらず、自分の価値観を見失いかけてしまうこともあります。

  でも、琴子さんの絵は独特の世界観を持っていますが、とても繊細で素敵です。詩ははっと感じさせる部分があります。 それらの絵や詩を通じて、自閉のことを知るきっかけにしてほしいのです。 琴子さんも「みんながお互いを認め理解しあう穏やかな世界」を目指し、協力してくれています。

  具体的には、琴子さんの絵や詩の展示会(個展や赤い羽根チャリティ展への参加)を年数回開催しています。 また、ホームページで、琴子さんの絵や詩を紹介し、私達の思いも伝えようとしています。 いつか、本も出せたらよいね、琴子さんの絵や絵はがきが販売できたらよいね、と計画しています。
  また、琴子さんは日々の生活や想いを日記や詩にパソコンを利用し、書きためています。 一見、何の支障もなく生活しているように見える(実は様々なマニュアルを駆使して必死に生活しているのですが)、高機能発達障害(アスペルガー症候群)としての、 中途半端な立場であるがゆえの苦労、苦しさ、そんな風な考え方やこだわりがあるんだ!との発見、などが文章 につまっています。 そういった微妙な立場で苦労している自閉の人たちへの理解を深めるためにも、もっと情報発信していきたいと思っています。


                                  (緑風菫 2007年1月 2015年3月一部修正)

   

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