「イヴ」 に よせて
イヴ〜世界とともに
・永遠の夢と目覚めの中で〜
深い海の底の中
まだ星が熱く
最初に水が生まれたとき
ひとつの種子が漂っていた
熱が
収まり目覚めを待って
熱がおさまり
空気が出来て
何時しか気体が構成されていくとき
種子の中では胎動が始まる
時間だよ
樹が出来る時間
種が生まれる時間
そのための
樹が
包まれた膜の中で
ゆうるりと
まどろみから目覚めて最初に“目”をあけた
それは最初の星の華
この星で最初の華
水がある星で水の底で
最初に咲く華
時が満ちて
幕から抜ける
膜の中には
きらきらした膜の中には
ひとつの種子
これが萌芽してくるときを待つことが
目覚めた華の
最初の仕事
そうして華は
萌芽し起き上がる
最初に呼吸した気は
空気なのか水の中の
出来上がったばかりの
酸素という奇跡の気体が溶けたものだったのか
既に種は戦いをしていた
あるべき枝葉を必要としていた
そういう
居場所となるものを
それらとこれからに
イバショの選択のために
イヴは目覚める
伸びていく
そうして“華”をつけて
咲かせて
種子をつける
100の種子を
最初の浜がつける
最初の
100を
これまでとこれからの選択のために
世界は分かれる3つのために
100の種子をつける
100が必要であった
3つのために
最初の3つのために
イヴは華を開いていく
そうして種子が大きくなる
そうして種子が光りながら
きらきらと水面にゆれる
選択のときを待って
選択される一つ一つを待って
選ぶものタチの影の中で
きらきらと気泡のように
きらきらの
最初の100は
輝いて
選ばれるときまで
イヴの元
其処でそのときまで
時が満ちるときを待つ
ゆれながら
ゆれて
水と光を包みながら
ゆれて
イヴの護る樹の
一部をその中に込めながら
ゆれて輝き
きらきらと
行くべき枝葉を
刻みながら
水をまといながら
すこうしずつ
そのときが来るまでの時間を
そのときに向けて
そのときの大きさになるまでの
それまでの時間を
ゆれて光りながら
イヴの元で
咲き続ける
時間
時が満ちる
影たちがくる
枝葉になるために
あるいは
なることを選ばず
その先に行くことを
辞めるために
枝葉に慣れないのか
なることへの絶望を見越してか
選ばなかったものは
朽ちて消え去っていく
捨てた影の
其処から抜けた影
それらはどこへ行くのか
また別の時間の旅へと
流れていく
どれがいい
最初に選ぶものは3つ
其処からひとつを選ぶ
どれがいい
3つを選んで
選ぶことが出来るものは
選ぶことが出来る影は99
それぞれ33ずつを
分かれたそれから一つを選ぶ
或る33は
空という水が見えない粒子になる世界
ある33は
此処と同じ
水が其処にあるものを包み込んで流れる世界
もうひとつの33は
空と水が同時にあって
さらに固体にもなる世界
個体に閉じこもると時間が止まる世界
どれがいい
どの33がいい
影たちにイヴは問いかける
あるものは空へ
あるものは水に
そうしてそれぞれにあった姿を得て
其処で自由に動けるように
姿ときらきらをもって
イヴの護る樹の枝葉に向かう
そのさきで
この最初の33は
もっと枝葉を広げるだろう
そのきらきらを
33のうちのひとつを手にした瞬間から
既に多くをその中に
もって向かっていくのだから
そのさきは
その最初の33の選択にゆだねることが
33の責任と
イヴの選ぶ影の選択
イヴの選択の責任
それは樹の命に関わるもの
樹を枯らすか茂らせるかは
このときが決めてしまうもの
最期の地上
この33
これは水と空に影響を持つもの
この選択は
影が得ようとしてもイヴは与えないものも或る
そうしてひび割れ朽ちる影
それでもイヴは選択をする
樹を賭けた
イヴの命がけ
この33で
世界が決まる
それと同じこと
それは何十億先のこと
枝葉の先の先で起きること
それが引き起こすこと
イヴは知っていた
最大限の
イヴの今に出来る選択
ひとつでも
木の枝葉のために
と
選択のとき
選択の種子
朽ちていくものと枝葉になるもの
樹は伸びていく
種子を抱いたもの達の手で
そうしてイヴは
その先を見るだろう
枝かを見ることを
その終わりに
枝葉がもう
守護無しで行くことが
出来るその日まで
延びはじめた樹
枝葉が増える樹
イヴは何を望む
何を望んだろう
このとき
この
選択のときの後
ひとつの守護としての最期の
100の中のひとつ
それとともに
樹とその行方をこの先ずっと
最後の唄を聴くその日まで
それをおもって
樹に寄り添う
ときを
これから超えていく
イヴと
守護のきらきら
枝葉に祈りを
こめて願って
眠りにつく日を
時を
はるか遥かずっと先
ねがって
そのときがくることを
信じて
夢見て
樹が茂るとき
それを見る日
それが訪れんことを
どうか
どうか
と
果ての先の先
遥かな夢
どうか