茶色の年輪と球体

年輪


長い長い時の中
四季という一年を繰り返し
それに刻み込みながら
長い時間を
そこに在る



暑い中
色に染まるとき
寒さふぶく季節
いつでもずっと
そこに在り
その時間を
一年ごとに
体に刻む
年輪
そのものたちの
歴史
生きて見つめたはるかな時間
それは語る
自然の
やさしさ
怖さ
厳しさ
そこを生きた出会った出来事
それを体に一年ごとに
刻みながら樹は長い時間
そこに在った
遥かなる時を越えて
一年を刻みつけながら
長い時間の旅
そうして語る
忘れてはいけない
自然を

忘れないで
当たり前ではない「今」を
刻んできたその怖さを
今の温かさが
大気が当たり前ではないことを
自然のやさしさのひとつ
忘れないで
いつか
忘れてしまえば恐怖を招くことを
それを刻んだ年輪
傷は恐怖があった証
緩やかなのは穏やかだった証
忘れないで

長い時間を
樹は
そこに在った
自然を語る
者として
年輪という
語りで
忘れないで
当たり前は
無いということを

年輪
自然の歴史
長いときを超えて
其処に在った
大樹
語りべ



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