咲く四季 〜秋

咲く四季 〜秋


それまで咲いた
“葉”と呼ばれた華
それが護った枝と季節
そうして膨らむものは
また同じところに
花といわれたものの後に膨らんで
みどりの “華”が育てた
“実”を
“咲く”
それまでの華の花弁は
その色がその実の
最初の芽吹きの葉になるように
そういうように
実が育つごとに緑を消して
穏やかな色で包み込む

暖色 橙 黄色 茶 紅
葉の色が
“もどる”
多彩な色に
春と違うのは
その
明度と彩度
春は高くて秋は低く
そうしてやさしい色で詰まったスペクトラムで包み込む
そうして
実を
“咲く”

咲くのは
実といわれる“華”
みどりを実の中に移した
葉といわれた“華”

ソラの藍は
少し低くでも
澄み渡っていく
これから来る冬に
そのために綺麗にするように
雲はその中を
薄く広くなって
さまざまな大きさで
やさしく流れる
包むような
雲の下

藍の下
穏やかに咲く
葉と実
そうよばれる
ひとはいう
それを枯葉と
紅葉と
実りの実と
同じ枝なのに
おなじ
芽が膨らんでいくような
殻の中から
拡がってきたもの
同じ
意味は違うけれど
誰もが気には留めなくても
とめないから同じ
差が無くなる
しぐさは同じ

人は言う
秋に咲く
それらを
紅葉と 木の実
これもまた
同じ枝のこの季節の
同じ咲く

“華”


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