オレンジ色の光景 樹が見える

還りたい場所〜記憶のかけら

「見たかった記憶 〜片隅の  
記憶のかけら」に寄せて


どこまでも続く
時の挟間の空
夕焼け色に染まる瞬間
夢を見る
還りたいと
どこまでも続く草原
どこまでも続く稲穂の海
地平線のかなたまで
遠くに樹が立っていて
その基にイバショがある
懐かしい
なんて懐かしい原風景
行ったことも無いのにそう感じる
そう
イバショがある
なぜあると感じるのか
わからない でも
其処に行けば何か見つかる気がして
懐かしい何か
懐かしい思い
還りたい場所

イバショが感じられない世界
どこも溢れていっぱいで
割り込むように小さく
いっぱいのガラス瓶にはそれ以上ガラスだまは入らない
入れれば壊してしまうだけ
護りたいのに
壊してばかりで疲れてしまった
早く帰りたい
イバショがほしい
イバショは
はるか記憶のかなたで
夕暮れの光の雲の中
そこで待っている

夢を見る
意識の奥の奥
稲穂と草原の海が地平線まで続く
夕暮れの淡い光の下彼方に
ひとつの樹
その基にある
イバショ
還りたい
帰りたかった居場所
記憶の
奥底に
ずっとずっと



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