丘に続く道と樹 遠くに緑の山

丘の果


それでも続いていた
道が続いていた
時に曲がりながらもずっと先まで
枝分かれもありながら
この先も続くものと思われた
そう思っていた

突然の道の終わり
丘の上に上って
その先は崖
続くと思われた道
果ては突然に現れる
何時の間に
続くものだと信じていたのだろう
始まりがあれば
必ず終わりが来ることを
どうして忘れていたのだろう
突然に
終わった道
この先は無い
どうすればいいのだろう
呆然とたたずむ
丘の果て

人の死が突然にやってきて
道に終わりを作る
それをどうして忘れていたのだろう
なんにでも始まりがあれば
必ず終わりが来ることを
終わるのなら
道は自分の死で終わりにしたい
そう願うしかなかった
呆然とたたずむ丘の果てで
羽根が優しく揺れる
それまで転がってきた道に感謝するように
終わりを示す道標のように

この先此処で
どうすればいいのだろう
道の終わり
突然に来るもの
そうして道は途切れた

如何して続くと思ったのか
この丘の向こうまでもずっと
如何して道は先があると疑わなかったのだろうか
途切れた道
見下ろす丘の下
果てしない
後悔と空虚

どうすればいいのだろう
羽根だけが優しく揺れる
道の果てにて
転げ落ちる果てにて
落ちていくのか
どこまでも
どこまで落ちていけば自分に戻るのだろう
その先に
なにがあるのか
しらない



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