紺色の中、球体に白い光、覆いかぶさる植物

迷い路


時が流れていく
わたしは今一体
一生の何処の辺りにいるのだろう
時が過ぎるごとに募る不安
居場所
それが
崩れていく
居場所を探して迷う日々
時がたてば迷うばかり
どこだろう
あったはずなのに
いつからこんなに
足元が不安定になってきたんだろう

時が流れる
不安とともに
流れの中で進む路
後戻りのできない路
どこまで続くの
おわりはどこ
「終わりなど考えないで」
簡単に言う
「時間が解決するよ」
決まって返ってくる答え
時がたてば立つほどに
行き先は複雑
だって
世代交代
空席ができて
そこに次の人が座る
そのひとは
隣の人たちのことを知らない
かつての人とは違う
席はいっしょでも
人が違えば心も違う
だから
付き合いが変わる

こわい
やっと隣の席となじんだころに
次の人が座る時間が迫ってくる
こわい
進むのが怖い
席が交代するのが怖い
誰もわかってくれない
だから一人で迷い路
時間が進むに連れてわたしもどこかへ進まざるを得ない
無理に進むから迷い路
ここはどこ
いまはどこ
時間軸の途中
わたしの時間軸の今は何処
路は後どれくらい
分れ道は何処へ行く
どっちへ進むべきだろう
選ぶことができない
暗い中で迷い路
ざわざわと
招く森
あとどれくらい
迷って迷って
進まなければいけないの
進むのが怖い
席が交代する時間

わたしの席はまだ
空席にならないの
できないの
してはいけないの
迷い路で立ち止まる
薄明かりの中
どうか
もう
停まっていいですか

迷い続けて後いくつ
つかれて
たたずみたい
もういいですか
どうか
もういいですか
時間を決めても
いいですか
路の終わりを
決めても

迷いすぎて
次の路がわからないから



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