遠い緑の丘と木、濃紺の空

丘の木


どこまでも
広がる草原
草原はなだらかにつながり
ゆるやかに
丘へ続く
旅の途中
ふと
開けた草原
ささやかな休息
草原が続く丘
丘の果てには一本の木
木にはきらきら
白い花
花は風に揺れて
舞い散って
花が葉に移ろう
咲いては
散ってゆく花
そして
葉に移る
それは
時間の合図
それは
この時間の終わり
木のある丘は
そこで途切れて
丘の果ては
空の果て
高く高く
果てしなく終わりない空
たなびく雲は
どこに導く
木は
丘の終わりのしるし
草原の終わりに
立った一本の木
丘の木は
ひと時の安らぎ
それをもたらし
そして
そこが終わりの場所の合図
丘の木まで行く前に
時間を
もうすこし
白い花を見させて
丘の木の白い花
ひらひら散って
丘の終わり
その前に
しばらくどうか
立ち止まって

旅の途中
開けた草原
開けたかのような路
丘の木よ
どうか
散ってしまわないで
この時間を
もっと
つなげて
もう少し
あと
少し

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