1本の木に桜、新緑、紅葉、枯れ葉がある

移ろいの樹


気温と空気が変化して
星がめぐり
太陽から遠ざかりそしてまた近づき
星のある部分に
気温と空気の移ろいを作る
それは
時にやさしい空気
時に冷たすぎて苦しいかと
思えば暑くて息苦しい
それでもそうした変化が
星の一部に季節を作る
一年のうちに4つも
姿を変える自然の季節というときを

花咲き乱れる春
緑響く夏
葉が多彩に色の競演をする秋
枯れながら新芽に眠る冬

当たり前のようで
そうでないもの
苦しい気温の変化が
美しい世界を作る
気がつけば
この1本の樹
時間とともに
一年という時間をかけながら
なんと多彩に移ろうのだろう

わすれないで
これが
当たり前のものではないこと
気温の変化がなくなる中で
失われようとしているもの
人は気がついているだろうか
移ろう時の樹が語る
移ろわなくなっていく気温
空気

それが引き起こすもの
わすれないで
四季というものが
特別なものであること

樹は時間を移ろう
彩り姿を移ろいながら
まだ残された
四季という
一年を刻みながら
どうか
これからも
地球とともに



   TOP   >  展示2   > 移ろいの樹      ← 前へ      次へ→