紺色とオレンジの夕空の中、光る金星、そして球体たち

明星輪〜宵の明星


陽が落ちる
地平に
まだ残照が残る中
追いかけるように光る
浮かんだ灯り
あれは星
小さい頃探した
一番星

あれは金星
燃える星
ヴィーナスという名
その名に遠く
それは陽に近くて焼けつく星
燃え盛る炎の星は
ここでは美しく輝く
金色に
ただわずかな時間
地平にいるだけの
ヴィーナス

地球の
この星の隣にあるんだね
それなのにこんなにも違う
太陽との運命的な距離
それがこれらの星を決めた
水の星と炎の星に

日が暮れる
現れた星
陽が落ちて
現れた星
残照とともに
また
姿を消してゆく
長い一日の
わずかな宵に
その存在を見せて

あれは明星
この星の隣の星
同じ
惑星
正反対の

短い宵に
光って
また
沈む
陽を追いかけて



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