青い空に白い鳥、そして球体達

空のむこうへ


高いそら
見つめることが出来なかった
見上げることが出来なかった
そらはひろがり
世界をつなぐ
そのそらに
手を伸ばすことが出来なかった
手を伸ばせば
どこかに逝ってしまいそうで

それでも
すこしずつゆっくりと
そらに手を伸ばす
もうすこし
あとすこし
そらは高く
手は遥かそらの下
すべてをつなげ
大気をこめて命をつなぐ
そら
そこに逝きたくて
手を伸ばした
どうか消えないでと
祈りながら
そらは高く
そこに在り
そして世界をつなぎ続ける
その遥かかなた
そらと雲の向こう
其処に何があるのだろう
雲は
鳥になり
舞い散る羽根は
伸ばした手に降り注ぐ
いいですか
見つめても
いいですか

鳥は招く
雲に溶けて
きらきらを導く
羽根がほしかった
此処から飛び出すための
その勇気を
ほしかった
だから
手を伸ばした
だから
見上げようとした

でも
そらはあまりに高く
鳥はあまりに大きく
飛んでも届かない
それでも
そらは其処にあり
鳥は其処にいる
招くように
そして
いつか逝くだろう
その空の向こうに
何があるのか知らない
でも
いつかは逝く場所
其処に向かって
手を伸ばそう
高いたかい
そらの向こうに
ずっと
遥かかなたに



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