麦畑に赤い空、遠くに見える家

遠い記憶


何時からだろう
深い心の奥底に
静かにたたずむ景色
忘れるくらいに深い記憶の奥底
見える遥かなる風景
ああなんて
懐かしいんだろう
いつか行ったのだろうか
それとも
遥か未来の風景なのか
過去にも未来にも
遥かに遠い
いつも在った記憶

日に染まる高い空
広がる麦畑
空を映す湖に
いつかたどり着くだろう小さな家
柔らかな風の中
揺れる麦の穂
空と湖にきらきら
なんて色の空
黄昏なのか
朝焼けなのか
でもこれは
黄昏
なぜか記憶はそう答える
なんて懐かしい
懐かしい未来 懐かしい過去
安らいだ場所なのだろう
ずっと忘れていた
深い記憶の底
いつも在った
遠い過去
遠い未来
いつか
行きたい場所
いつか目にする風景
遠い 遠い時間の果てに
広がる懐かしい風景
其処に在るだろう「居場所」を求めて

とても懐かしい遠い時間の記憶
過去へ未来へ回帰する中
忙しい現実に忘れそうになりながら
記憶の奥底にはいつもある
遥かな過去と未来
いつかの夢
やわらかい風の中の
黄昏のひと時
なんて暖かく
やさしい
やさしすぎて
哀しい
遠い遠い時間の
片隅の
夢の記憶

懐かしい
懐かしい過去
懐かしい
懐かしい未来
いつか還っていく
そんな
黄昏の風の中
染まる空気と ともる家の灯
いつか
いつか
とおいとおい
時間に
うずもれた
いつかの
記憶の風景
永遠の
懐かしさとともに



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