青い空の中、丘の上に球体と羽根

再会の丘


出会い
それはどうしても
別れへの始まり
どんな形でも必ず付いてくる別れ
それがこわくて
出会いを避けていた
それでも
出会いがあった
いつの間にか錯覚
何時までも続くものだと
でも
別れは容赦なくやってきて
すべてをこわし
消えた

二度と
逢えないと思った
別れは
出会いとで傾いた天秤を
元に戻した
つりあった天秤
世界のすべてが一対

別れ
でも
それは
出会いの始まりでもあること
忘れていた
そして
気がつけば
「再会」
そういう出会いもあることを
忘れていた

別れがあっても
めぐり巡って

そうして
長い時を過ぎた後
再会という出会いがやってくる
忘れていた
また逢えるという奇跡もあることを

長いときを別れて
再び出会う
忘れていた再会
無いと思っていたもの
別れは永遠と思っていた
それでもあった再会

また会えたんだね
別れは
再会への始まりでもあった
また会えた
ひとつの偶然
再会という出会い
遠く離れた者たちが
ひとつの丘で出会う
使者の羽が舞う
それは
別れがあるから
出会いがあるということも
思い出させる

そしてそれが
また別れへの始まりだとしても
再会を
今は出会おう
いつか来る別れ
どんな形か知らない
死という永遠の別れ
避けられないそれだけはあっても
それ以外の
なにものでも

回帰する
人も ものも すべての生き物が
過去へと
未来へと
出会いと別れを繰り返しながら
回帰する
別れても
死という永遠がやってきても
こころはまた
出会うだろう
過去かもしれない
未来かもしれない
偶然と必然の中で
めぐり
回帰し
また出会う
永遠の
繰り返し
過去へ未来へ回帰するこころ
懐かしい
とても

懐かしいのは
別れてもまた出逢えるから
回帰し巡って
過去や未来のどこかで
また出会うから
懐かしい
再会

こころは昔の出会いより
再会のほうが
結びつきは強いだろう
だから
今は出会おう
長い悲しみの後の
この今を

長いときを経て
であった心
再会の丘にて
光の中で

次の別れがあっても
それまでは
この丘で
出会うだろう
避けられない
いつかの別れの日まで
そして回帰しまた出逢うまで
せめて
それまでは
この丘で出会おう
「死」が
別れと成ること
それでも過去や未来でまたで逢えること

ずっと探していた再会
伝えたいことがたくさんあった
また会えたね
よかった
どうか
最期まで
今度こそ伝えられますように
この
再会の
丘にて



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