球体の上で休む紫の蝶

休息


今は一体どこにいるのだろう
もうずいぶんと長いこと
こうして歩いてきたように思える
気がつけば
心はどこか一人
誰かはいた
でも
なぜか遠かった
それでよかった
そのうちまた誰か来て
こころが近づく
でもまた遠くなる気がして
気がつけば覚えてしまった
「さびしい」

誰かがやってくる
そうしてひと時とどまってくれる
でも時間は過ぎて
また飛び去ってしまう
出会いは
ひと時の休息
長い間一人で
歩き続けた時間の中で
つかの間の休息に
舞い降りたもの
飛び続けてそして
ここで出会って
互いに
つかの間の休息
何もない道の途中
静かな時間
重い荷物を降ろし
今までを振り返る
なんて長く歩いてきたんだろう
そうして
なんて一人だったのだろう
ひと時の時間
互いに羽根を休める

舞い降りた出会い
でも時間は流れ
つかの間の休息は終わる
来たときと同じように
また去っていく
出会いは
別れを呼ぶ
休息は
また旅が続く前触れ

舞い降りた
つかの間の休息
長い時間と重い荷物
休ませてください
どうか
このひと時の時間を
いま
もうすこし
舞い降りた者よ
どうか
いま少し
休息をもたらしてください
また
歩き出す
再び荷を背負い
手探りの道を探して
一人
旅に出る
その時間が来る
その前の
つかの間の休息を

飛び去っていくまでの
ひと時の
安らぎ
どうか
いま少し
どうか



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