「来ては去りゆく者たちへ2」いくつかの蝶、球体に近づく蝶や去っていく蝶

来ては去りゆく者たちへ


長い長い見えない旅路
見えない未来を見つめて
過去をさまよう
時間は止まることなく
現在という一瞬一瞬を流れる
流れる時間を旅する中
たくさんの
出会いと別れ
出会えば
それは別れの始まり
別れれば
それは次の出会いと再会の始まり
繰り返す出会いと別れ
つぎつぎと
舞い降りては
飛び去ってゆく
とどまるかと思えば
いつの間にか遠くはるか
時とともに
途切れることなく
舞い降りては去り行く者たち
その一瞬一瞬という時間
狭間の現在
未来は瞬く間に現在になり
すぐに過去へと去っていく
次々と来ては去ってゆく時間
次々と来ては去っていくもの

なぜ此処へきたのですか
なぜこの目の前に
そしてやさしく舞い降りて
ささやかな安堵と思い出を残し
また時とともにどこかへ

なぜ来たのですか
すぐに
去っていってしまうのに
どうして
留まれないのですか
次々と来ては去り行く者
思い出を残し
過去を作り
未来で待つ
どうして
懐かしい
どうして
すぐに行ってしまうのに
またやってくるのだろう
舞い降りた懐かしい者
飛び去った思い出
また回帰して
未来で舞う
懐かしい過去
懐かしい未来
繰り返す出会いと別れ
永遠に続く
懐かしく
悲しい記憶
それでも
繰り返すことが時の流れ

来ては
去り行く者よ
どうかひと時
この瞬間という現在を
いま少しください
いま少し
此処に留まって
時は流れても
永遠がやってきても
どこかで
時間のどこかで
留まることを願う
来る者よ
次に去るのは
いつですか
そして
去るのは
どちらだろう

来ては去るもの
それは
出会うどちらも同じもの
繰り返す永遠
懐かしい回帰
留まりたい永遠
流れ続ける時間
互いに
永遠が訪れるまで
どちらからも
来ては去るだろう
どうかこのままと
いつも願いながら

来ては
去る者よ
それはどちら
世界は
すべて一対
どちらかは無い
そして
時は止まらないで
常に過去を作り続ける
来たものは去りそしてまた次が舞い降りる
過去から未来から
繰り返す
留まりたい懐かしさ
それはどこかでみなが同じ
それでも
繰り返していく
どうか
この懐かしさを
ともに
そして
また懐かしい未来で
永遠の眠りの前の
何処までも懐かしい時間の中で
繰り返していく
出会うすべてのもの
過去へ別れるすべてのもの
懐かしさをくれる
すべての
来ては去りゆく者たちへ
また
回帰するまで



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