丘の上で赤い夕空、沈む黄色の太陽、そして球体たち

落日幻想


今日もまた
自転と公転に沿って
陽が沈む
誰が思うだろう
これが必ず当然とは
いつまでもそうだと
限らないことだと
まだ光が残る空
迫る夕闇
明日も陽が昇るとは
何の保証もない
その暗示のように
薄闇が迫る

青かった木が白く光る
白い木は残照に光り
やそがれ時間のわずかな間
幻想をつくる
朱と青の不思議なグラデーション
それを映す木
丘の上
時の狭間に見る幻想
夕日が残したわずかな幻想
明日もまた
陽が昇る
それを
当たり前にするだろうか

二つの星が起こす幻想
それが続かんことを
願う時間
陽が
地平に消えた
瞬間
明日も
出会えるように



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