落陽の蝕
陽が傾いていく
地平に向かって
紅く赤く染まりながら
いつものように
当たり前のように
そして次も
当たり前に昇るように
赤い夕陽
そこに廻る影
月が軌道をめぐった
沈む陽が
月と出会う
その時起きた出来事
当たり前のことが
当たり前でなくなる時
月が重なる
陽が
欠けてゆく
長いすれ違いの果てに
重なった道<
並ぶ星
当たり前に沈もうとした陽が
消えていく
欠けていく
紅い空に
浮かび上がった太陽と月
出来上がったのは指輪
光の輪になった太陽
沈みながら
欠けていく
隠れた太陽
そして
地平からも消える
明日もまた
昇るだろうか
それは
今までの太陽だろうか
陽が
沈んだ