紺色の中、球体と羽根、それを囲ういくつかの輪、白いすじ

輪廻〜回帰


廻る廻る
くるくると
心だけが次々に
生まれて死にゆくそれぞれに
生まれるたびに宿っては
死に逝くたびにまた次へ
一つの心が
長い時を旅を続ける
何時に倒れて
何時に現れたんだろう
前は何だったのだろうそして次は
次なのか
前なのか
時が円になって過去と未来が交差する
今は何
ここはどこ
今時間はどこだろう
そして
この時間はあとどれくらい
この時間に何をすべきだったろう
いつもどの時間も
何かをするはずだった
しなければいけなかった
でも
そこに存在していいのかは分からない
それでも存在してしまった
それは続くことが
いいのか悪いのか分からない
ただ
何かを探してさまよっていた

時がまた廻る
倒れたと思えた
また今を見つめている
ここはどこ
繰り返す
いつも
どこか懐かしい
まだ知らないはずなのに
過去か未来かもわからずに
どちらでも
心の底に残る思い出せない記憶
懐かしい過去
懐かしい未来
還っていく
今を旅して
還る場所を目指して
時を流れていく
繰り返した生
繰り返す死
そうして超えてきた時間
そうして超えていく時間
どこへ向かうのか
ただいまを見つめて
記憶の奥底に求める
時の輪の中でいつか
めぐり合う故郷を

ああ
今があるのは
還っていくためなんだね
懐かしいどこかへ
遥かかなたの生まれた時空へ
還っていく
長い時をたどるために
生死を繰り返しながら
回帰し続ける
過去へ未来へ
そして今へ
出会いたい記憶
いつかの時間
めぐる心
交差する時間
繰り返し
なんて懐かしい
懐かしすぎて
悲しい
還りたい
早く
早く今を超えて
懐かしい在るべき場所へ
還ろう

輪が廻る時
次の時間はいつ
今が揺れる
ゆっくりと回って
目を閉じるとき
何を最後に見るだろう
次の時間か
かつての時間か
全てがきっと
懐かしいだろう
回帰する何もかも
今手に在る光
何時拾ったのか知らない
今なのか過去なのか未来なのか
わからない
でもここにある
それをもって
今を超えて
また廻ろう
長い時間を
懐かしい時間懐かしい場所
そこへ向かう
長い旅を
光とともに
巡っていこう
目を閉じるとき
何を見るだろう
全てが懐かしいだろう
懐かしい故郷を目指し
目を閉じゆく
そして
次の今へ

廻る廻る
時のかなた
繰り返す今
懐かしい
居場所に還るために



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