あおいはな  03/9/6


とおまわり とおまわり 早く帰りたくないから “帰る”というべき場所じゃないから
とおまわり あるいて 見つけた花の色 小さい頃一度きり見て
二度と探してもみることの無かった色
おしろいばな 花の色変わりやすく 一株で一色だけなんて めったに無い
あるのは赤ばかり 他の色は必ず 赤の入った咲き分けばかり 必ず2つ以上の色
少ないけれど 白、黄色、それ一色はある
けれど 中間色は無い 白と赤は互いに混ざらず咲き分ける

おしろいばなの 桃色 こんないろ ないとおもっていた
けれど ほんとうは 見えないのは人間だけ 可視光線という波長の中でしか色を捉えることが出来ない
他の生き物の目にはもっといろいろな色に写っている
青い花青い花
人の目でみる限り 純粋な青い花は存在しない
青が好き あかやぴんくはきらい
カノジョが“ワタシ”に身につけさせたがる色たち
小さい頃から いつもそう “わたし”が青を選ぶ カノジョは赤に替えて来る
大嫌い
絵の具もみんな 無くなるのは 青 紺 黒
残る色は皆 赤 オレンジ 桃・・・

なぜだか 身に付ける色でなければ 嫌いではない
赤い花 夕焼け 好きだから 絵の具が残ると それらの色ばかり使った絵を書いた
いま ここから見る夕焼けは きれいじゃない・・・曇りガラスの向こうだから
でも本当の色は何色 青い花も

人の目に見えないだけで本当はそこら中に溢れているのかもしれない
見ようとしないだけで 見えないけれどあるのかもしれない

皆が見ているもの
同じもの それを見ずに 他の物を見ている その向うを見る
そうすることは 集団を乱す そんな心理 其れが“ニンゲン”
だからみんな同じ目線でしかものを見ない 違うところから見ていると
異端者と言うレッテルを貼られる 見えないだけで本当はすぐ足元に
誰もがのぞむものが たくさんあるかもしれないのに
みえないものでも そこにあるんだよ みようとしないだけで ほんとうは・・・

そう・・・見ようとしない馬鹿は
ワタシ わたし 私・・・
気がついた ずっと探していた物 何があっても変わらないもの
こんなものなんて こんな物だったなんて
“カゾク” “オヤコ” 血族――そう呼ばれている
想い重い 鎖・・・

青い花赤い花白い花
いろいろな色の花
本当はなに色の花
わたしの目に移る色、色、色
偽りの色たち そむけた目で見る色たち 本当から逃げた・・・

<日記>03年9月頃

また 土曜日 また どこにいても いつも いばしょさがす ないのに もう やめ いつでもどこでも あんしんできたこと ないから つかれた
きのう みた ことば でてきた ことばのられつ それだけ あとは ない
またこわいから ちょっとさきもこわいから おやすみおやすみ
こわい ふあん わからない くすりのもう いつになったら おやすみ ずっとずっと おやすみ
よごれたきたない こころたからだ すてちゃって おやすみ 許しのコトバは きこえない・・・ こわいこわい ふあんだらけ やすらぎはどこにあるの 薬飲んで・・・つかれ た

【選んだ理由】(菫)

   小さな頃、アサガオに興味を持ったことから、結果的に大学でも「生物」関係の学問 を学ぶことになった琴子さん。そのためか、自然の不思議、真実に例えた唄が時々現れます。 そして、それが真実をついていることも多く、私(菫)はよくはっとさせられます。「他の生 き物の目には」映っている色。「人の目には見えないだけで本当はそこら中に溢れてのかも」 しれません。そういうものって、たくさんあるんだろうな、と思います。「見ようとしないだけで」「あるのかもしれない」ものが。


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