ミトコンドリア・イヴ 03/09/11


カゾクと言う名の“血族”
便宜上の分類の中
ワタシが割り当てられた人々
わたしが
割り込んでしまったカゾク
他人同士の集まった集団 カゾクと言う物を構成し ここの役割分担
父 母 子 祖父母・・・
一応血縁と言うもの 血がどれくらい濃いか薄いか
そういった物指しで 集団を分類している
そこに 感情的なものはあるの ココロはあるの
たまたま偶然に ここにきて その集団に 何か感情が わいて
集団の結束を強める 人間の特徴的生活

でもコレは便宜上 みんな他人で有りみんな世界中がカゾクで血縁
ミトコンドリア・イヴ
あなたが ニンゲンの “オカアサン”
でもそれでは家族単位が大きすぎ 管理が大変
そしてできた 遺伝子の系統樹 そこからわかる集団
そしてカゾクと言う分類が 系統樹のほんの枝葉の先に来る
世界中のニンゲン全てが一人一人他人 一人一人皆が全部家族
だから
この小さなカゾクも
他人の集まり
そして
血の濃い薄いも無く並列の血縁者
感情、気持ち、愛情と言う名の不可解な物・・・
其れが強いか弱いか
其れは他人とカゾクの境目
わたしにはある?

感じない 
どういうものか 理解できない
できないのか
向かうところが違うだけなのか

マニュアルと言う物があれば ワタシに下さい 台本があれば ワタシに下さい
知識と経験で身に付けられる物とそうでないもの
人の振舞い見て こういうことがおきたときはこう振舞う表情は・・・
かんがえて 動く

つかれるだけ

ミトコンドリア・イヴ 
ホモサピエンス全てがあなたから生れた
血は薄まり 
あなたと同じ遺伝子をもっても 
他人同士
ならばなぜ
疲れる思いをしてまで カゾクと言う便宜上の集団に居ることが必要
何者かわからないところで いったいいつまで 生きている 

きたないからだ 不良品 世間体にもよくない 
でも
そうなったのはわたし

いつもついて回っていた 時とともに重くのしかかって

昔からずっと
忘れたくて忘れて それでもついて回って
さらに大きく時には突き刺さる
治ることの無い傷
形と種類は違っても
あの頃よりも
突き刺さるナイフがあまりにも鋭くて
抜けることなくさらに深く食い込むばかり

ああ昔
ばい菌ごっこ
いなくなれ
さわっちゃったてをあらわなくちゃ
嫌われる
居てはいけないもの
いなくなれば
もう
汚いものはいらないから
いなくなれば

でも
そういう存在でここに居ることが
不良品で
さらに不良品になって
どこへ行ってもそうなって
それを消したくても
そう思った
それで受けた
罪と罰
生まれたことが罪ですか
抗おうと
抑えきれない何かに抗おうと
そうしたことへの
罪ですか

イヴ
これは
最初からわたしに決まっていたことなの
組み込まれた
プログラムですか
それとも・・・

そうしたのはわたし
そういう事態を招いたのは

こんな汚いカラダに居るだけでも耐えがたい
いつになったら捨てられる
でも
その罪は重すぎて
体は重く
わたしをしっかり鎖でつなぐ
まだ
まだ
償うには足りないよ と

わかっている
でも
叶うなら
あげるあげる ぜんぶあげる 
寿命と言う物をあげられるなら ほしい人にみんな上げる
お互いそれで利害は一致 どうして良くないことなのか
倫理 ジョウシキ 基準は何

ああでも 
こんな汚い身とココロ 捨ててもどうせ行き場は無い
転生さえ出来ないか 
どうせつぎも おなじこと 
めぐってつかまり
繰り返し
償いを終えるまで
罪はそれ程に大きいのだと

永遠に無い終わり なぜ ゆるされない
すべての終わりを望むこと たったそれだけのこと

イヴ 
あなたはなぜ この唯一感情と言う物を持つ生命体を増やしたの
イヴ 
あなたは何を この種の未来に託したの
イヴ 
あなたの託したプログラミングは予定どうりなの
それとも
途中で変異してしまったの
今の姿
これは
あなたにはどう映っているの

生命体は 
生れ落ちると同時に終わりに向かって歩み始める
あるものは わずか数時間 
あるものは何百年
感情 
それがなければ 
死と言う終わりを見つめること 其れに対する考え方感じ方
少数派が反道徳的と後ろ指差されることも無い

イヴ 
感情を 
プログラミングしたのもあなた――?
どちらを子孫に託したの 
どちらが変異したプログラムなの
イヴ 
どちらもあなたの 
“予定” ―――?

たくさんの遺伝子 発現しているのはほんのわずか
その部分をほんの少し変えるだけで アミノ酸配列が変わり別の固体になる
発現していない部分に 
あなたの託した本当の意味があるの
そこに あなたは何を望んだの

多くの人が 
“生” を望み
少数が 
“終わり”を望む
どちらのあなたの予定どおり それぞれに託したもの

いま ある姿は あなたの 託したプログラムに沿っていますか
あなたの託した未来は
あなたの託した 感情は
何かと引き換えにそれを得ること持つことで
“特殊化”した 生命体は・・・

<日記>03年9月頃

きのうもきょうも 朝起き上がる すごくつらい きもちわるい はきけ あたま  おもい からだ だるい このからだ ぬけだせたら きっと すごくかるい

きのう オトウト 資格試験 合格祝い みんな食べに行った ワタシ留守番  ポチと留守番 9時ごろ帰ってきた ただいまと 声がした ポチ留守番ご苦労さん 声がした 10時ごろ お風呂は入りなさいと呼ばれた

  ワタシ かんけいないの 一生懸命 例えば朝ごはん みんなそれぞれ好み 合わせて作る だれも あたりまえ

  ワタシ かんけいないの このイエかんけいないの しらないかんけいない  はやく どうせきたないものごみは早く捨てる だから はやく かんけいないごみ  はやく すてて すてて あの世にも歓迎されない惨めな魂 せめて汚いカラダだけ でもすてて 何も考えることなくどの道行き場の無いのなら行き場もなくさまよい続ける者で良いから・・・


また今日も始まる一日 まだ続く いつまでつづく まだおわらないの

あさごはん みんな違う用意 オバアチャンは 御餅焼かないといらないと言う オトウサンは作った後で 食べかけをあとはもういらないとおいていく カノジョは作ってからいろいろいう オバアチャンはカノジョに感謝

ワタシは他人 ニンゲン皆同じ 本人以外は皆他人 血縁と言う物がどれほど濃いか薄いかの定義にそうだけ  他人他人 コレが毎朝 そして仕事 終わって帰る 家に近づく ためいきためいき 扉を開けて絶望感・・・

今日の仕事 失敗できない ここまで来るのにかかった時間と高価な試薬 頼まれたサンプルもある  サンプル準備始めたら手が離せない1プレート分 なのに どうして とちゅう なにがおきた

今日の部屋は人が多い 薬飲む時間なかなか取れなかった だから・・・? 最終段階で視界が暗くなる  短時間のヒートショック 手が放せない ひやあせ はきけ たっていることがどうしてこんなに辛い  気付かれてはいけない 早くこの段階を終わらせて 5分でも 隠れて座っていなければ

のりきった 本当にはきそうに成った こっそり5分くらい 休んだら治まった なんだったの  出かけるときに色々あって少し頭痛がした 前兆虫の知らせ おわった あした この結果うまく行ってること祈るだけ



【選んだ理由】(菫)

   ミトコンドリア・イヴの唄は何度か登場することがあります。生命は、1つの細胞から始まったという説。 それからすれば、「ホモサピエンス全てがあなたから生まれた」のに、大多数は「他人同士」となっている現在。

   なぜ「カゾクと言う便宜上の集団に居ることが必要」なのか分からない。そう言われると、私たちは漠然と、家族 でいることが当たり前、家族が大切で当たり前、と思っていますが、本当の「家族」の意味を改めて考え込んでしまうのです。


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