還りたい何処かへ  05/8/13


透通っていく
わたしも感覚もなにもかも
何も見えなくなって
トウメイな
ヤミの中へ

停止したい
もう何も見えない
なにもかもが もう見えない
もう感じない
全てが透通っていく
全てが色をなくして
トウメイ
ヤミの中
ヤミ・・・

ヤミは何も見えない
黒じゃない
黒は色がある
色がない世界
ヤミの中は何も見えない
色がない

止まりたい
ただそれだけ
もう
次に動き出せないから

どうしてココに来たのか
まだ世界の前に
まだだれのもとに行くともきまる時間の前に
転がってしまって
あの時わたしがまだ行ってはいけないところへと行かなければ
そして
あの人の“出会うべき出会い”を“妨げ”なければ

わたしがころがって
道に迷ってカノジョに
会うはずが無かったわたしが
彼女に出会ってしまった
本当に出会うべき子が出会う事が出来なかった
わたしがあそこに居たために
カノジョと会うはずの子が出会えなかった
そして カノジョのところに来てしまった
そして 不幸にした

ごめんなさい

そのときからすでに罪は始まっている
会うべきその子へのツグナイは 何処までも消えない
カノジョたちに対しても
消える事は無い
できることは
“わたし”だけが
止まる事

せめて
カノジョの認めた子がいつも居るように
出会うべき出会いをして
親子になるはずだった その 子
することになるはずなど無かった長い遠回り
視線を感じて瞬間かすめた さびしそうな目
あの子

わたしは
次にもう動き出せない
動き出してはいけない
それを知っているから
それをする事はできない
そうしてはいけない
それを感じるだけ
ただそれだけ

どんどん世界は色をなくして
わたしは感じなくなっていく
みんなわからなくなっていく
誰もわからない
何も解らない
何も感じない
ずっと ずっと
ずっと

ヤミの中へ

最初からヤミの中だったのか
いつからここにいるのか
ヤミだったのか光が消えたのか それともここが光のはずなのか
もうこの中で
還りたいところへ
還りたい
還りたい還りたい

どこかへ

ヤミの中
透通った
透明なヤミの中
なにもかもが
感覚も
消えていく
トウメイな
ヤミの中

還りたい
還りたかった
還りたかった
どこかへ
ずっと
どこかへ
どこでもない
どこか へ

どこか
どこ

こ・・・
(2008年6月一部加筆修正)

<日記>05年8月頃

今日は、医者の日。Bさん、会うの、怖い。でも会わないといけない。明日は仕事、 来週は伝票と請求書とソボの散歩と・・・“わたし”はもう居ないんだ。舞台は、フィナーレに向かう。
Bさんは、怒っていなかった、でも、もう、コトバ、わからない。Jさんは、いつもクス球欲しいと言っていたのに、返す、 いらない、「もう作らないで」、そう言って、全部、置いていった、「捨てる」。もう、コドモは、戸をたたかない。 診察室に居た先生というヒトは誰だろう、知っていると思っていた。あなたに子供が居て、その子があなたの科にかかる病気なら、 どうしますか。それの答えを聴きたかった。わたしには、一番の、問題だった。それは、すぐそばに、わからないことで混乱しても、 それを理解して導いてくれる人が居るという安心だから、りそうの“家族” そう、思って、そう憧れ、そう、有るんだと。 でもそれは、わたしだけの、“フツウ”だった
他の医者に見せる、自分は見ない、それが答え。わたしには、コドモは捨てられるとしか聞えなかった 。わたしたちのコトバでは、世界では、それは、コドモを捨てる、子供は、捨てられたと思う、どうしてかわからないだろう。 同じ分野なのに、どうして、と。わたしは、あるヒトを知っている、身近な人で、そのヒトは、ちょうど偶然それを大学で勉強し、 生れたコドモはまさにそうだった、だから、余計にしっかりとその子の手を放さない、そして、その子を知ろうと勉強し続けている、絶対に“離さない”。
先生は、コドモを放す。そう聞えた、わたしは、誰と、話しをしていたんだろう、わたしは、コドモの部屋に、一緒に入ろう。 今までになくひどい頭痛で、苦しい。あまりひどく痛いので、起きていることが辛い、みんな、ごめんね・・・

【コメント】(琴)

 人に対して、物に対して、その時に対して。必要や、要らないという言葉は、対象物が変化が多い、そして、主語が、はっきりしないで飛び交う言葉 それを聞くたびに、私にかかわる何かをさしてとわかっていても、私ごとみんな私自身存在に対して要らないが聞こえて仕方がなく、 怖くなるしかないのです。(2008年6月 記)


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