ヤミの中から   05/8/27


ACがなんだよ
ACだ
そうだったんだよ
だから―――

みんなそういう
ASはダメ
AC クロ子 “ムスメ”でワタシ
今日からせんせいと会うのはACの子がいいね
せんせいもACと言っていたね
2週間前の話
2週間前の結論
そして今日
ドアをあけた
わたしは
いつものヒトとは面会できない
ワタシは“わたし”では無いから
そして
捨てられる事がわかったクスダマたち
ドアをあけて
先生に挨拶
ハジメマシテ
席につく

AS

キーワード
ドアの鍵
自分

思いがけず
AS
世界を呼んだ
ヤミの中
声がする
何かドアが現れる
そしてクロ子が手を引いた
キーワード
AS
そして
わたしがまたせんせいの前に居た
どうしていいのだろう
どう受け止めていいのだろう
どうしてキーワードを出したのだろう
どうして・・・

聞きたかった質問
聞きたかった答え
コトバはできていない
作らなくては
はやくはやく
でも
答える事でいっぱい
できる前に
せんせいは席を立つ
そして
せんせいは
知っている“せんせい”では無い 知らない人になって
ドアの向うへ消えた

聞きたかった答え
何度もクロ子が書いてくれた質問
とどかなかったのか
返らない質問の答え
聞きたかった答え
どうしてかわからない答え
こたえは
いつまでも
返らない

しっている

こういうときは
答えてはいけない答えのとき
言ってはいけない答えのとき
そういう質問をしたときの反応
倫理という奇妙な戒律

せんせいはカゾク―コドモを診ない
“どうして”

返らない答え
いつまでも
それは
言ってはいけないことだから
答えがないときの
反応

それが
答え

せんせいはきえていった
知らない人になって消えていったドアの向こう
わたしは
またトウメイになっていく
また
散らばったままの折り紙と
わたし
コドモ
ヤミの中

認めない
また
そのコトバ
その答え
それだけが
まわり続ける

コドモは
きらきらを見つめる
いつまでも
とうめいな
ヤミの中で


<日記>05年08月頃

こわい。頭が痛い。こわい。医者、でも、薬必要。そして、また、知らないところへ行く事は、もう、出来ない。でも、もう、せんせいも、時間を短くするだろう、長く取ってくれた、今まで、でも、もう、あきれて、いやになるだろう。怖い、頭が、ずっと、痛い
ワタシ、クロ子がいった。ACをみんながいいというから、クロ子が一番いいという結論だから、クロ子のワタシが行きました。はじめまして、先生に挨拶、席についた。何を話し、わからないから、コトバを待つしかない。AS.きこえた、琴子を呼ばないといけない、琴子を。
クロ子が教えてくれた、ドアをあけて、手を掴んで引っ張った。AS,AS.そう聞える。ASの世界の本を読んだ、せんせいのコトバが聞えた、せんせいは、わたしを捨てていなかった?そう思って良いのだろうか。でも、せんせいの子供が精神科の病気になったら、先生自身は見ないで他の先生に渡す、重なった、“何があっても認めない”のコトバ、やっぱりココではワタシタチは認められない、だから、みんな、ACにしてしまう、だから、“わたし”はもう、コドモと居る事にした。見えなくなって、ヤミの中へ。コドモは折り紙を眺める事しか出来なくなっていた。きらきらと遊んでいた。コドモと此処にいよう。トウメイな世界。きらきらの世界。捨てられるから。
どうしても、捨てる、せんせいは子供が精神科の病気になったら自分は見ない、捨てる事と重なった、認めないと重なった、だから、どうしてかを聞きたかった、でも、質問に答えるコトバを作る事でいっぱいで、ちっとも、それを聞くコトバを作れない、せんせいは、答えない。そして、せんせいは、消えた、瞬時に知らない誰かに変わった。立ち尽くすしかなかった、やっぱり、わたしが掴んでもいい“手”は、ないの。また、わからなくなった、見えなくなった、トウメイになっていく世界。クロ子が、ムリシナクテイイからと、部屋に連れて行ってくれた。また、トウメイな、ヤミの中。答えがない、は、答えられない、要らない、認めない。だから、もう、コドモとまた、還ろう。
結局頭痛は続く。琴子はまた逝ってしまった。今度は、吐き気までする。苦しい。


【コメント】(琴)

  また、手をのばして、また、振り払われて消えてしまうのが怖くて、最初から手をつかむことができない。
  そういう“反対”をいつも同時に頭に置いておかないと、混乱してしまう、そんな繰り返しで、いつも、ヤミの中にいる感覚です。
(2008年6月記)


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