最後のための休息を  05/9/1


もう体というイレモノを動かしたくないの
もうこの世界は苦しいの
もう誰もどの“手”もわからないの
つかんでいい“手”はあるのだろうか
差しのべられてもすぐ消えていくだけの中
返らない返事
答えのない質問
解らない“カンジョウ”
“イレモノ”は
まだ“ねじ”を巻かれる
体と呼ばれる
ココロと頭が 今は 行っているこのことを

マリオネットは
まだ“糸”を引かれる
もう巻かないで
もう糸を引かないで
そして
いつか埃の中遠くなって
埃の中で
止まったまま
朽ち果てる事を
それが
最後の休息
唯一の
最初で最後の
休息
それしか
できない
“休息”


<日記>05年09月頃

05年8月頃
また8月も、気がつくと、わたしを置いていこうとしている。琴子とコドモは出てこない、時時ウタがかすかに聞えても、私には捕まえられずそのまま。キーボード、何とかあちらと繋ぐ方法、ないか。
今日の予定。朝が早い日が続く。ソト子の仕事も、今日は無理に詰めたスケジュール。でもそうしないとみんなおかしくなるから。クロ子は、今日はカノジョが夜に洗濯をするのでそれにあわせるように工夫する事。
オトウトと、それが次代となるここの配偶者としてなった“娘”に、最高の誕生日プレゼントを貰ったそうだ。カレとカノジョは明日1日遊びに行く、2世が一日休みをプレゼント、一日娘と、ソボのご飯などの世話をして留守番、私が演出して走り回ったプレゼントはいつものように、薄れ去る。仕方なく台所に出されただけの、“欲しい”と言っていたものも、出されただけで、毎朝、朝の仕度のときに日々かぶる埃で黒ずんでいくのを見るだけ。
帰りが遅くなる可能性があるので、気にせずに洗濯してと伝える事。


05年9月頃
カノジョタチは遊びに行った。オトウト(2世)と“娘”が一日ココですごす。誰も居ない、ソボは何も言わない、何でも好きに2人ですごす解放日。カノジョたちにとっても、2世たちにとっても、好きに何でも出来る、そうしても何も言われない日。ワタシタチにはありえない日。
ソト子は大変な事に気付いた。以前作った、そして、結果が思わしくない新しい試作品。それは、出来上がったときも、作る段階でも、単純な入替で変異を入れるだけだから、その部分だけ調べればいい、そう言われて、調べずに居た新しい試作品。昨日調べてわかった。入れ替えのときに、いわれた部分しか調べなかったために、変異が三つも入った失敗作。主は、検査しなくてもいいといったことなどまずオボエテイナイだろう…。だから、作り直さなければ。
きっと、ソト子が悪い事に成るだろう。早く、取り返しのつかないところまで実験が進んでいないうちに。ソト子は、もう、自ら薬で何とか動いている、ネジが、操る糸が切れて止まる日を願って。

【コメント】(琴)

  後どれくらい、がんばれなのか いつまでも聞こえない。

  「頑張ったね、もういいよ」
  ・…それを聞くには、もう、これ以上頑張る途方もない当てのない努力、がんばっても報われないことしかわからないものだらけに、ついてくる、がんばれ…。
  
  これ以上どうすればいいんだろう
  出来ないもの、振り返られることのないものへ、向わせる義務、償いを負うことをこれ以上止められる手段は、体の“ねじ”を切るしか、ないでは無くありませんか。
(2008年6月 記)



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