枝の先と根の先  05/12/12


この季節になると
またいつもより騒がれる
ウィルスの季節

思い出したように
殺すために創られる
そのイノチたちが
ウィルスを持つ事が解る
そのとたん
そこに一緒に居るものみんな
焼きころされて
おしまい
死ぬためにいきた
早いか遅いかだけの違い
人に移らないように
人に感染しないように
たくさんの鳥達
そして
たくさんの牛達
大きくなったら殺すために作られた命
それが早いか遅いかだけ
大きくならなければ殺される
大きくなっても待っているのは
終りだけ
焼かれるか
人の肉になるかの差
どちらも同じ

ヒトはおびえる
ウィルスたちに
系統樹という木は
枝を広げる
その先に
葉の様に
種族という集団が付いている
人が決めた
便宜上の

ヒトはその木の枝の高い所に自分達を付け
ウィルスを根っこの先につけた

人が食べるために作ったたくさんの命
たくさん作って殺されて食べられるためだけにある命
彼らは世界をどう見ているのだろう 人という生き物を
すぐ殺される日を順番待ちして生きている
育てる人はあわてる
ウィルスに感染したって
だから食べられないから売ることも生かすこともできない
全部処分だって
さあ生きたまま焼き殺すんだひとつ残らずみんな

たくさん焼かれる
人が“食べる”ために
作って殺していく命
それが
ウィルスに感染する
そのウィルスたちを
ヒトはどうしようも出来ずに
早いか遅いかの時間差だけで
その感染した生き物に終りを即座の与え続ける
ほかにどうにもならない

枝の先に居て
頂点に立って下を制する
そういうものとしてそうなったと振舞って
自分たちが
根っこの先につけた
ウィルスにどうしようもなく
ただ 途方にくれて

ほんとうに
枝の先に居ると笑って
文明と進化の頂点とセカイに笑う
そこはホントウに
“枝”の先

根っこの先の
一番“下等“と位置づけた者に
それらにおびえ
それらが引き起こすことに
どうすることも出来ずに居ながら

根と枝は
どちらも同じだけ広がって伸びる
木を見てごらん 草を抜いた時 根はどれくらいある?
枝葉が延びれば
同じだけ 根も張っていく
木は伸びていく

上と下
どっちがどっち
枝の頂点につけた
ほんとうに
そこは頂点
木は
上と下
逆さにしても
同じ形だね

今日もまた
一番下に居るはずの物に
一番上に居ると思っているものが
どうにもならずにおびえている
終りのない
2つの
関係

何のため
進化
どちらが
ホントウに
進化
勘違い
そうじゃないの
進化の頂点
ほんとうに
そこにいるの
そこにいると
笑っているの


<日記>05年12月頃

鳥たちや、牛がたくさん焼き殺される映像が流れる。インフルエンザだって、狂牛病だって。食べると人に感染して殺してしまうから、発見されたら農場みんな処分だって
テレビの中は大騒ぎ 鳥や牛が殺されて焼かれていく
どうかそのウィルスよわたしにもその手を伸ばして

【コメント】(琴)

   系統樹、進化の過程、何が高度に進化して、何が原始的かって決まった法則、知っていますか。
  人が一番系統樹の中で進化の頂点で、ウィルスはずっと下の下等なもの、そう位置づけた、人たち。それが、そのウィルスが起こした病気に手に負えずに走り回って、ただ頭を抱えるだけの出来事。人が生命を支配したと、その証の様に養殖したものを、感染の恐れで焼き殺していく光景。一番下等と見下していたウィルスの前になすすべもなく。
  どっちが、下等だろう?手に負えないのに、人は、本当にピラミッドの、系統樹の頂点だって、胸を張って見下ろしていて、いいの。
(2008年7月 記)


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