なんでも手に入れるホントウのウソ 05/12/23
なにもかもが
すぐに手に入る物がひとつ
そうただひとつ
不可能を可能に
あの“麻薬”―オカネ―をたくさん持つことが出来たら
“絶対”なんて どこにも無い
使い捨てと共生寄生
そんな中で
ただ ひとつだけの
“絶対の”
存在
それはマヤク 代名詞をお金という名の
少しならば生きる“薬”
多くを望めば おぼれる“麻薬”
それでもそれは
いま
唯一ゼッタイなものとして
君臨
何より信じられるものと
かなしいけれど
それは
あまりに正しくて
その切れ目が縁の切れ目
いろんな時間 いろんな場所
いろんな事象の中で
ひとつ違えば全てを狂わせ
みんなそれに踊っては狂っていく
ホントウの使い方なんて
誰も知らない
目がくらんで見えない
みんなそれに酔って
みんなそれに狂って
みんなそれさえあれば
欲しい物をすぐに手に入れていく
そのための手段だから
そのクスリを得るためには
選ばれない手段
そのために
繰り返される“使い捨て”
共生 寄生 奪い合い 賭け引き
それが有れば
楽になれる
そう
マヤクだから
そして楽になりたくて
必死になる
手に入れる
もっと楽に
もっと手に入れて
もっともっと
薬を手に入れるのだ 薬を
もっと薬を
それがあれば
もっと
さあ
クスリクスリ
みんな
最初の甘い味を覚えてしまうと
それにおぼれていく
どんどん際限なくして行って
全てをこれで
手に入れていく
全てこれで
手に入る
入らないはずの
ココロでさえ
それでのつながり
セカイもそうして
変わって行く
だから
たくさん手に入れる
そしておぼれてくるって行く
誰が“正常”なんだろう
誰がまともで誰が狂っているのかもうわからない
区別がない
狂っていると思っていたら
まともなのかもしれない
そんな時代
なんでも手に入る
このクスリ マヤクさえあれば
それでも言う人がいる
時間とココロ カゾクの絆
それだけは
買うことはできない幾ら払っても
それはいつのコトバだったろう
今は
“レンタルカゾク”
そんな物すらあるんだって
薬を積めば
それまで見向きもしなかった人までが
それにココロを吸い取られてそちらを向く
結果的に“手に入る”
ほんとうに
心や家族は買えないの・・・？
時間でさえ
“買っている”
白い塔の部屋の中 ベットの上に横たえられて
たくさんの管をつけて
意識があるのか無いのかわからなくなっても
残りの時間をその設備に支払えば
支払った分
時間を買える
生きるという
“命の時間”
そんな時間まで
そのクスリで“買って”いる
嫌われて一人の人でさえ 過ごしたい相手にたくさんの“薬”を積み上げれば
相手の時間を買って過ごすことすら できてしまうことすらあふれている
ほんとうに
これで手に入らない物が
今の世界にあるのだろうか
この
“オカネ”という
ドラッグだらけの
中毒がフツウの
このセカイに
雪、今日も、そして、イエも、クロ子も、ソト子たちも、みんな、仕事。祝日は、忙しい日、疲れる日、そう決まっている、他は、如何なんだろう。
ちょうど、10年前も、同じ、天気の周期は、10年だってテレビは言う。雪、たくさんの、今と、ちょうど同じ。同じ10年前、そして、 目の前の、全ての“数年後”の、締め切りの、通知。
クロコの仕事は終わることなく請求書が次々に、停まる、は、どこにも無い、ソト子がいくらがんばっても、ただ、疲れて消費、ソト子の得た物を消費して悪循環のルーティン
疲れて仕事を終わらせるところへ、ソト子の、突然来た雇用主が言った、急ぎの、年明けに使う、必要、年内に作る。こうして、休めない、休んではいけない“物”だから。そして、役所の手紙、自然でない、ゆがんだ、物指しの、人為トウダが始まった。
仕事は、生きるための必要な“物”を得るため
でも、そのために、“死んでいく” 体を生かすことをしても、ココロは
それを得るために