強く はかないものたち  06/1/16


対になっているたくさんの事象
そのどちらかしか見る事ができない
もう一つがあるからこそ見えると解っても
それから目をそらす事でしか
保てない物

ひとは
弱いね
そして
つよいね
どうしてだろう
何かを守る
そのときには
何よりも強いのに
進化の頂点
生命のピラミッドの頂点
そうであると
思わなければ
耐え切れない

それがヒト
そういう生命体
何かを引き換えにして
得た
考えるという物
ホモ・サピエンス・サピエンス
頂点の 頂点と名づけて

対極の物が本当は
殆ど同じと見てみない振り
そうしなければ
頂点と信じなければ・・・

一番下にして決めた物
そのひとつに
ウィルス
それに太刀打ちできずに居るのに
それでも頂点と信じたくて
遠く離れていると信じたくて

“円”を無理やり“線”にする

そして
端から遠くはなれたトップにいると
本当は根っこでも
本当は逆立ちしているかもしれないのに
どうにかして
頂点だと
木の枝葉の先端だと

根の先端と同じ形なのにもかかわらず

そうでなければ
生きるができない
対のひとつを
否定しなければ
自己を繋ぐ事ができない

なんて
弱い
はかない
生命
そんな生命体
だから生命体
だから
ホモ・サピエンス・サピエンス
頂点の 頂点

そのなかで
とにかく頂点と信じたくて
立っているために
そうしなければ
倒れそうで
それががヒトという種
だからニンゲン
そうでなければ
立っていられないからニンゲン
カンジョウと引き換えに
弱さを貰ったもの


木は枝葉を広げる
枝葉の大きさは
同時にその分
同じだけ根を広げる
枝葉が小さくなると
根もそれにつりあうように
枯れて小さくなる
どちらも同じ
上も下も同じ

イヴは
その中で
いつも
見ている
“生まれた”最初から
ずっと
ずうっと・・・


【コメント】(琴)

   人は強い生命のトップで他を支配しているんだ…。
  そう言わんばかりにほかの生命をコントロールすらし続ける。
  イヴは、そういう人を、人になるものがそうなることを望んでいたのだろうか。
  頂点に立っていないと強く見せていないと立っていられない人という種。
  一番下の方に位置付けたものにおびえながら。
  立っているのが、水面に移った木や山の頂点であるとしても、 とにかくそこにいなければ生きられない、強く悲しい生き物、ヒト。
(2008年08月 記)


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