スペクトラムの森 ― 選択のとき・7つの絵に寄せて 07/09/05


重苦しい中 気がつくと
浮かんでいる
眠っていたのか起きていたのか
声を聞いていた
こえ

世界で最初に咲いた華
太古の昔
100の命種 種子が
それぞれ水の奇跡の三体
それが同時に存在するこの世界で
そのどこの世界へ枝葉を伸ばしていくのか
その華の護る木の枝葉に
あるものは拒みあるものは選んで
それぞれの枝へと

最期のひとつが三界を見護る
イヴ
華の意思として


ひとつを選んだ
どこだったのか
それからはるかな時間を越えて
さらに伸びて分かれた枝葉のひとつ
そこに

気がつくと暗くて
視界がゆがむ
光の波長の波が寄せる中
スペクトラム
見える世界の捉える波長
それは選んだ枝葉の進む路
どれを
選択の森の中
押し寄せる光の森
迷宮に迷い込む

--------------------------------------------------------- 2 
ゆったりとした光の波
あつい いろ
少しずつ早くなって
見えてくる
最初は紅く見える
誰もがまず選ぶという
一番無難
“フツウ”は無難
紅と白のはなびらの中で

----------------------------------------------------------- 3 
華は咲き続ける
枝葉が枯れても
最期の一枚のはなびらであっても
黄色いはなびら
一枚だけ
それでも咲き続ける

-----------------------------------------------------4 
名前があっても無くても
どんな名で呼ばれても
咲き続ける
光を見つめて
どこまでも探して追って
“次”のために
最後の一枚になって
ほかは朽ちてなくなってさえも
どんな姿に成っても
さいごまで
咲き続け

緑が消えて
土色になっても
次へつなぐ種子を抱いて
そして
かすんでゆく
色調が変わる

------------------------------------------------------------------5   
冷たい中
水の奇跡
光を求める中
光が来るまでの
光が射すまでの儚い時間
光がある時間は見えない
存在できない奇跡
光を追えば見ることの無いもの

凛と伸びた
氷の柱
緑の葉が
霜をつけて
光とともに
消えた夢

光を望めば
消える奇跡
水の奇跡

光を望む者たち
影を知らずに
影が無ければ
光も知らずにいたはず
光で消える軌跡が
此処にある
光を求め影を
視点を
見えないものを
立ち止まることなく変わらなければ
見えないもの達
見えない世界で咲いた“華”
水の奇跡
影の中の奇跡

----------------------------------------------------------6

“しあわせ”
追いかける
誰もが求める
“当然”として
“有るべき姿”として
何がそうか
答えられないまま
本当にそうか
わからないまま
“誰も”にとって
“同じ”かも

なんのために

なんのため
“幸せになるために”
しあわせ
なにが
誰かの“幸せ”がほかの誰かに
“おなじ”幸せにはならない

「幸せになるため」
しあわせってなに
ありきたりの事象を並べて
それが「しあわせ」
そうだろうか
“それ”に
ならないといけないの
それ以外は
いけないのか

比べた“何か”が無かったら
それを幸せと決めはしなかっただろう

どこへ落ちた
“手”が沢山
何かを護ろうと
ひび割れて壊れそうな空間
“傷”を癒そうとする“手”が
同時に
まだ其処に割り込むもの
入れば
それを壊す
壊れてそれは砕け散り
零れて溢れていくだろう
癒しと
押し付け
矛盾した手が
交差している
壊しては治しながら

空間への割り込み
矛盾
矛盾
間違えたもの
壊すもの

ほらひびわれる
ほら

居るのに
居ない
迷路の中
さらに迷って
何もかもが消えた

選んだ世界
選んだ種
それぞれに
違う波長
ちがう
スペクトラムのセカイ

---------------------------------------------------------7 
淡い色の中
気がつくと
選択の種子の中
イヴから受け取った何か
選んだのか選ばれたのか
“中”にある
これがどこかの枝葉に導く
其処へむかう前の
まだ何も知らない
旅立ちの前の地で

羽根が見える
淡いセカイ

淡い色
温かくやさしい
包み込む強さ
淡いゆえに掻き消えて失われる弱さ
諸刃の色の世界

選んだ世界
選んだ種

同時にスペクトラムの中で
ココロのスペクトラムも
見えないもののスペクトラムも
その中に込めた
選択し
目覚めてそれを知る
この先の世界で

それまでの短い時間を
淡い世界の羽根の中で

スペクトラムの迷宮
森の中
選んだもの
同時に
決まった
ココロのスペクトラム
選ばれた意味と理由とともに


<唄への思い>07年09月頃

命という有機体は、どこにも区切る場所がない、無理に線を引いただけの、連続した世界。スペクトラムの中で生きている
どこの波長を見て、どこの時間の中に行って、どこの世界のスペクトラムに、誕生するのだろう そうしてそれは、選ぶのか、選ばれるのか
生まれる前の、まどろみの中で世界を旅をして、そうしてその中で、まどろみから覚めた時に決まっているのか、まどろみの中で選んでいっていたのか・・・
ふつう、幸せ、そういうものとそうでないもの、対になったそれらも、実は連続していて型にはまったものなどどこにもない おもいます
だから、それに、線を引いて、敷居を作って世界を分類して差をつけていく…それに疑問を感じるところ、どうしても…

【”聴いて”くださった人たちへ】(琴)

   この、スペクトラムの森、特に、5の歌。それに共感してくれた人(第9回展示会の感想より)が多かったこと、それが、とてもうれしく思います
   そうして、世界をもっと違う視点から見て、世界を人の世界をやさしくできたら…心の、バリアフリー
   そのきっかけになりますように
   唄と絵を、“聴いて”くれた人たちすべてに、感謝
2008年7月 記


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