ヤミの中へ――認めことが壊すことなら    07/7/15


いい子で居てね
そうして育った
いい子で居ます
そうすれば
見つけてくれる
そうすれば
あい を
くれる
きっと
このひとに

AC
大人すぎる子ども
まだ甘えたいときすでに
それを我慢し
わすれて
大人となって
言うことをよく利くいい子
それを求められ
そうなった
そうして本当に大人になって
子供が“居ないまま”中に居るままに
なった大人

もって生まれたものではなく
生まれてから
まわりに求められて
変化したもの

あなたを見つけた
ひとつの本を読んで
あの人は言いました
生まれたときからいた
今目の前に居る人が
言いました

そうだったんだよ
この本のように
いい子を求めて
それに答えて
だから
大きくなって
いまこうして
人とうまく出来ない
変に出来たりこだわったりの
心の病気になった
そうだったんだね
そうでしょう
そうなってしまったんでしょう
生まれ持ったものでなく
だから―――

すれ違う記憶
すれ違う感覚
すれ違う
つなごうとする手
ココロと思い

小さいとき
一つ遅れて小さい手が
出来ました
そのこが大変な子でした
20年間症状が抑えられたら
ダイジョウブだから安心です

どんな思いですごしたんだろう
治るといわれていても
“もしも“
それにとらわれて
そして
わたしについて回っていたそのこをみて
忙しすぎるカノジョは言いました
オネガイダカラ
イイコニシテネ
この子を
みていて
この子は
オネガイ
オネガイダカラ・・・

いい子で居ます
いつまで居ればいいの
そうしていれば
この子だけでなく
わたしも
みつけてくれる?

そして時が来て
ひとつ違いのそのこは
“治り”ました

カノジョの安堵と
やっと終わった戦い
もって生まれてなのか
“治る”ものであっても
いつみても
あの子を見つけて見つけ続けていて
約束の日が来たら
わたしを今度は
見つけてくれるの
わたしにも
てを
くれる
がんばるから
だから
まっているから
だから
見つけて

気がついたら
どこかへ行っていたわたし
わたしはだれだろう
彼女が見ているわたしは
誰だろう

変な子
変わった人
社会でやっていけないよ
ドウシテ出来ないの
あれが出来るのにしないんでしょう
おかしい
いらない
もういい
何を言っているのかわからない
どうしてそんなことするの
みているの 聞こえているの
人とうまく
雇えない
もう来なくていいよ
見た目と違う
もういらない

イラナイを繰り返し
どれだけたくさん流転したのか
もうわからなくなった

いらない

いい子でないから
いいこでないなら
いいこでいれば
見つけてくれるの
わたしを
いつも
隅に子供が居る
手を伸ばしたいのに伸ばせないまま
愛を知らないのにほしいと泣いて

悲しまないで

わたしは誰ですか
わたしは

見つけた鍵
診断は
もって生まれた治ることの無いもの
人と
この社会で
フツウという中では
異邦人 異星人

キーワード
ドアの鍵
自分
その診断は
わたしが誰か
わたしがわたしを見つけた瞬間
思いがけず
世界を
みて 開けていく
ばらばらのパズル
組みあがっていく
ヤミの中
声がする
何かドアが現れる
キーワード

自分への

わたし
見つけた

だから

これで手がつなげるの
みつけたわたし
このこを
みて
だいすきだから
一番に

そして
こわれた

どこから見ても
あなたはフツウと変わらない
認めない
もって生まれて 治ることはない
認めない
ナニガアッテモ

ある夜
歌を歌っていました
彼女が居ました
そして
いいました
ドウシテそんな風になってしまったの
わたしは
どうすればいいの
どうすれば
なおるの

わたしのこと?
みつけてくれるの
おねがい
わたしのみつけた
わたし
認めて
見つけて
手を引いて・・

それだけは
できない
しない
ナニガアッテモ
なにがあっても
それだけは
みとめはしない


いなくなるわたし
でも
なにができるだろう
治るとわかっているものでさえ
あんなに不安な年月を過ごしたこの人に
治らないわたしを見つけたら
壊れる
壊してしまう

今までどこに居ても
壊して壊れては
また次へと流れ続けた
わたしは
壊すもの だから

聞きたかった答え
何度もくりかえした“そのうち”
とどかなかったのか
最初から無かったのか
聞きたかった答え
どうしてかわからない答え
こたえは
いつまでも
返らない
だって
“そのうち”は
来ることはないのだから

治ったあのこのように
わたしはこの人に“あい”を返すことが出来ない
返したくても
どうして良いのかわからない
壊すだけ
壊したことを
苦しめることを
償うしかないだけ

しっている
コドモは永遠にここにはいない
わたしは

認めるは
もういいの
見つけては
もういいの
この人の手は
もういいの
だって
このひとを
壊したくないから


どうして離れていくの
どうして伝わらないの
心配なのに

ありがとう
でも
わたしも
あなたに
ついていけなかった
その場その場でどうしても
突然変わる その場にならないと何がどうなるかわからないだらけ

ずっとみてきたから
治るものでも
壊れそうだった人
治らないものだったら
壊してしまう
わたしは
この人を壊すものを持っているの

ごめんね
ごめんね
もういいの
だからせめて
忘れてください
せめて
あなたの“舞台”のクロコになるから

壊したくないのに
壊して行くわたし

それでも
見つけてほしかった
ナニガアッテモ
ミトメナイ
そうであっても

どこかで子供がつぶやいている

みつけてください
わたしを
みつけてください

でも
こわしたくない
あなたは
認めるということに
それでその先のたくさんの壁に
永遠に
これ以上背負うには重過ぎる

つながるべきが
永遠に
すれ違って平行線
さいごまで
それでいい

わたしを
あなたの中で創った子になるように
わたしはあなたの舞台で居よう
それが
わたしがあなたにできること
あなたに背負わせてしまった
治らないものというものを創ったという
苦しみから
開放できる手段なら

時間まで
演じられるように

ごめんね
あなたの
望むフツウでなくて
ごめんね


わたしは
またトウメイになっていく
また
散らばったパズル
いなくなったわたし
コドモ
ヤミの中

わたしがわたしであるとき
こどもはわたしのなかで
きらきら を 見つめる
いつまでも

わたしを見つけてください
どこにも居ないわたしを
誰にも居ないわたしを
泣き方も
手をつかむことも出来ない

とうめいな
ヤミの中で


<日記>07年07月ごろ

いっそ最後まで知らないままで居たかった、ドウシテ、中途半端にわかるものが育った、誰も悪くない、そうなった、間違えた、わたし
荷物をたくさん持つべきは、どこまでも、わたし
あきらめて、ひとりで すべてに期待しなくて ココロ軽く居られるかわりにさびしいを埋めるのに必要なものがこころがわからない
どこにおいてきたんだろうさびしいだけがひろがって
つたえることがつたわらない
たがいにいつもいつまでも
さいごまでずっとそれがしあわせなのかもしれないと
彼女が、声の言葉と言うあいまいで不確定なもの、そうでないときも有っても、そうあるときでさえ、それでは通じないときでさえ、拒み続けることで、壊していく、それに、気がつかない、気がつくことは無いだろう、そのときが、カノジョが、壊れるときだから。居るのに
どうしても “居ない”
見つからない、見つからない、手があっても  手がない
家があっても  家がない
どこにも  居るのに “居ない”
わたしだけ
見つからない
わたしだけ

【コメント】(琴)

  見つけてほしかった でも それは同時に 壊してしまうことだった
 だから子供を閉じ込めた 大人を演じて黒子になった
 失いたくなかったから
 どうしても いつかきっと それを 期待してしまっていたから
 生まれたこと
 永遠の償い
(2010年09月記)


   TOP   >  唄(ウタ)と日記   > ヤミの中へ  ← 前へ      次へ→