未来の果て〜〜終りなき償い  7/10/15


届かない帰ることの無い
行き場のないものたち
見る方向がすれ違う
見聞きする音がすれ違う
コミュニケーションのボールは
相手に向かって投げて受けていたはずが
その隣に投げ続けているだけで
たまに跳ね返ったものが返された反応と勘違い
永遠のすれ違い
永遠の平行線

だからぶつかる
だから

傷つけたくないから離れた
わたしは家族を壊す
わたしは不安を作る
わたしは


将来の不安 もしも・・・

長い流れの家系血縁の流れ
ずっとついてきた彼女の中のイヴ
ずっと誰かが将来の不安を持って一人
ずっと彼女、その親、その姉妹・・・
長く続いた、一種の連鎖
連鎖の終わり
分岐点に立っている

「この子は就職はできないでしょう」
「こんな子(障害のある子)がいて 母親が
はたらくなんて無理・・・その先には
親が居なくなった後残されて
残していくことに・・・」
その後には誰が
誰が見るの
みさせられるの
兄弟姉妹
年が近すぎる
じゃあその子供
面倒見させるために生まれたのでないのに
また居なくなったら
こんどは
親の兄弟の子供たちが・・・

どうして
彼らは思わざるを得ないだろう
如何してわたしが苦労を押し付けられ
何のために生まれたの
これでは幸せになれない
将来に未来には
あの大きな荷物が待っているなんて

見え隠れする押し付け合いの声が足元でざわめく

ひとりで
暮らすだけのものが無ければ
動けなくなったら最後
お金というものがなければ最後
そのための
仕事がなければ最後
それをするための
人とうまくやるのに必要な
コミュニケーションのいろはを知らなければ
人を見て判断できなければ
上下関係 派閥 年齢 勤続年数 場所で変わる上下
解らなければ
最初だけ
まだ解らないと周りも笑っていられるのも3ヶ月
1年たてば
「肩たたき」
まだいいほうで
まず先に 「いらない」
その前に
採用すらないこと

働こうとしても心と体が悲鳴を上げることですぐに終わってしまう現実

血縁が
あるために「鎖」に変わる瞬間がある
いつ引き出されるかわからない未来に
足かせを持って


そうしたのは誰
そうしていくのは誰

「この先この子を置いて死んでいくことに・・・」
将来に
責任と罪と絶望を載せるために
生れ落ちてしまったのだろうか

彼女には妹が居る
カノジョとその娘にカノジョの母は言った
「死んだ後でどうかあの子を・・・」
結婚しなかったその伯母
障害を持っていた
そのせいなの
それとも
わたしと同じで“ワカラナイ”ためなの
不安定な精神の伯母
それでも人と関わることと
しごとと
住むところは残された

でも
一人は一人
このさきに
動けなくなったら引き取るのは・・・

行く末を案じて不安の中で死んでいくしかなかった祖父母
笑いながら接しながらどこか空気がため息色の姉妹たち

ずっと続いてきた連鎖

障害を持った一人のこの母である彼女は1人の息子が居て
そのこが連れてきた「娘」と親子になる
そして夢がやっと
小さな手がやっと

ずっとのしかかるものを
せめて今だけ目をそらしても
いいでしょうと

このさきにまつものがどれだけ
未来という処刑台か

最期のイヴ
わたしの中
そして
わたしも
一人
誰も居ない
将来
そして
暮らす手段も
伯母よりも

彼女が触れないで
交わすことがうまくなっても当然だろう
またどれが彼女を追い詰めて
やんで疲れてしまった

わたしは未来を奪い夢を奪って存在した
将来の不安
誰もが
わが身に降りかかる何かを其処に見る
本来抱える以上に乗せられることを恐れて

わたしは地雷
踏むのはわたし
それとのカノジョの終わり

わたしは奪ったすべての彼女とその知のすべてから
未来という描いた夢も記号もみんな
根底から突き崩していまさら立て直せと突きつけて

わたしはそういうものです
わたしは


そうですか
そうなのですか
なのにどうして
生まれなければいけなかったのでしょう
どうして
不幸を創るものとして
存在しなければいけないのでしょう
如何して途絶えずにわたしの中にもあるのでしょう
法則から外れた遺伝子たち

この先にあるものは
果てしのない終わることのない
永遠の償い

声がする
この先この子をどうするのか
ひとりで暮らすこと生活は
到底ムツカシイとあっては
どうするの
さあだれが・・・

わかっているから
おねがい
それ以上いわないで
わかっている
一番に誰より
将来のこと
周りにわざわざ言われなくとも
その存在である当事者本人自身が
一番不安と罪悪感の中でずっと抜け出せずに居る
あまり多く見てしまったみたいで

そうやって苦しめていることも
そうやって苦しめてまで奪ってまで
存在していることも
居るだけで
意識するだけで
安心を奪う

最後の望み
どうか
今まで見てきた
せめて
残していく不安の中での死
それをなくすことをさせて下さい

どうか
それがソノトキハ
最大の不幸で
最大の
迷惑な事態を伴っても
その一時の爆弾は
本来彼らに
あったはずの未来
それを
奪ったそれをもう一度つかむことには叶わない
一時ソノトキハそうであっても
時が本来つかむはずだった願いを
夢を
彼らにもたらすはずだから


<日記>06年04月ごろ

ソボの中ではもう昨日のことは意地悪された、おわり、になっていた。今日は早く起きて、もう最後まで、こういうことはないよう動かなくては、カノジョに向かってしまう カノジョは私の治らないかぜのために薬をもらってきてくれた、荷造りをしてくれる、遠くなるようになるほど近くなる、おかしいけど、近くなるためにも遠く遠くに行かないと
でも行き場所ははるか遠く 到底たどり着くには困難に思えていく
ソト子はまだ仕事が完結に向かわず格闘し、人とずっと一緒にいることに耐えながら体を引きずるだけ。永遠に思える 誰もが何とかなるから無理なときは言えばいい、無理しなくてもいい、そういう言葉の免罪符を頻繁に使う。ソレは言ったという事実で終わって行動にはならないことだけが確実にそこにある
永遠に続くように果てしない
本当に終わりがあるのか

【コメント】(琴)

  結婚しない、出来ないと、親兄弟とその家族のお荷物にしかならない”家族””血縁”
 絆であってほしいものが、重いかせの付いた鎖となってしまう
 障害を持ったことで、家族の幸せや夢を奪ってしまったのだろうか、そういうことをしてまで存在しなくてはいけないのか・・・
 家族の中でワタシハなんだろう、どこに行くのだろう
 せめて、壊したくないと、願うことしか出来ない
(2009年04月01日記)


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