種子からの手紙 〜 ギフトからギフトへ 〜  08/3/26


水の中に浮かび
まだ記憶が漂う中で
まだ空気を知らない中で
指先にも満たない なんて小さいとき
そのとき既に
華芽と
“種子“
それを持ち
空気をはじめて吸う日を待って
地球が300回転する間
“種子”は育つ

その
種子を抱くのは何
それは
だれ
種子はそのヒトを知っている
そのひとだから
そこにいるの
そのヒトの種子に
なるために

あなたはわたしをわかりますか
あなたはわたしに
どんな夢をもっているのですか
わたしはあなたを
手をつなぎたいひと
そうして
あなたならと
わたしに
“いいよ”
ここに居ても
“いいと”

くれるひと
必ずくれて
包んで
“超えて”
行ってくれるひと
手をずっと最期まで
離さないでずっと

そうしたくて
そうできるひとだと
“わたし“にでも“そう”であるひと

だから
ここで
あなたの種子になりました

あなたはどうしたでしょう
わたしをはじめて知ったとき
夢を壊したのでしょうか
かなえることが出来たのでしょうか
不安の中で
まだ歩いています
そうして
手を
そっと
迷いながらつかもうと
空をつかみます
でもきっと
どこかつかんでしまうでしょう
つかんで離さないで
実は 居るのでしょう


驚いたのでしょうか
嘆いたでしょうか
わたしは少しでも
軽くなろうと
後を追っています

どうしても
あなたからの種子をわたしの中にも持っているから

あなたが咲かせた生涯の華の中で
出来た種子だから
あなたにとっては
そうだから
そして
そうなるギフト
あなたのギフトになれるとして
あなたなら
わたしでもギフトになれると
超えていけるとそういうヒトと
あなたの“種子”になりました
そしてあなたがわたしの中にも居ます


あなたが咲かせた華には
種子に必要な
大切な“同じもの”
DNA
それを護って
大きく咲いていたのでしょう
其処にはたくさんのミツバチが
その“花粉”というDNAを
そうしてたくさんのものを育てる
“巣”
其処に必要不可欠なもの
それを持つ唯一のものとして
大切に抱いていっていたのでしょう

それらが次の“種子”を
“巣”を
つなげていくために

あなたの華
あなたの“つなぐ次のもの”
DNA
それを込めた種子の源
“巣を護ってつなげていくもの
世界樹
系統樹
それが枝葉を伸ばしていくのに
途切れず伸びていくための
“護る”
要素

ミツバチは
わたしを運んでくれました
だから
あなたに出会うことが
出来たのです
でも
あなたにとっては如何だったのでしょう
とても不安で
どこまであなたの
“手”を
わたしが摂ってもいいのかが
どうしても不安です

如何してなのでしょう
他の種子は
その選んだヒトへ
不安は無く居られるのでしょうか

伝えて
伝え続けてずっとそうして
そう続けて居続けなくても
解るのでしょうか

わたしはどうして
そのメッセージというギフトを
うまく捕らえられないのでしょう

ミツバチは
わたしを間違えてしまったのでしょうか
うまく
“巣”に
役に立たないものだったのでしょうか

一生懸命一人で
立って逝きます
だから
うまくつなぐことが出来なくても
次の種子を
このまま
育てることなく終わってしまうものでも
そんなあなたの“種子”であっても

わたし
“間違い”と
“認めない”と
それだけは
どうか

最後までありませんよう
最期まで
せめて
最期だけでも
わたしに届かないことを願ってしまうのです

間違えたわけではないと
信じたくて仕方が無いのです
間違いなど
DNAは
ちゃんとあるのに
違ったなんて
ありえないと


ミツバチは最期までミツバチ
ミツバチは最期まで
“巣”を護るもの
そのために生まれ
おなじ
種子でもDNAでも
次につなげなくても
出来ないものとして
それでも巣を護ることだけは出来る
そのためでもいい

“ミツバチ”
あなたのミツバチに
わたしはなって
次につなぐものではない
あなたをかなえられなかったギフトでも
種子でも
DNAでも

“巣”を護ることは出来る
“種子”

それが
あなたが受けるギフト
そうなるわたしだった
あなたへの
ギフトです

どうか
受け取ってください

“あなたにあえて
よかった“

敬具


<日記>08年02月ごろ

パソコンを買いに行くときに、地下鉄で行った
障害者福祉の乗車券、わたしは2級で、介助してもらえる人には使っていただくことができる。
彼女につかってと、渡す、初めて、彼女は使う、来月で、もうなくなるもの。
認めるといっても、どうしても、分かってしまう
どうしても、うなずく
ごめんね 本当は気分良くないよね こういう種類の乗車券では
答えは、しぐさと伏せた目線
理解って何だろう
ただ、言葉を飲み込ませただけで、
誤解を理解したまま
障害のこと何一つ正しいこと知らないし知ろうとはしない、それで、そのままでいいけれど、ドラマで得た理想論の塊を正しいと理解したまま
結局は
障害という言葉だけが不快で肩身の狭いものとして
それでも我慢するという
そうしなければ
そんなものになっただけ
ごめんね
わたしはそれが苦しい 付いて行けないのに行かないといけない
この障害は あなたには無理
ただ
障害という言葉しか残っていなくて偏見は消えていないけど目をつぶる努力をすることを、近いすることを努力する、そうしてしまった
そうでしかむつかしいよね
だからもう
ここにはいられないよ わたしそのものは
クロ子だけがいる

【コメント】(琴)

   子宝といわれるように 子供は親にとって最高のギフト
  それなのに 将来を夢見たろうものを壊してしまっただろうか
  どうか壊さずに黒子でいられるように 精一杯ギフトになります
  それが私からあなたへの
  唯一のギフトだから…
(2010年10月記)


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